家族みんなが健康な暮らしをするためには、壁や床に使用する素材に着目をすることも大事ですが、健康へのリスクを低減させるためにも快適な空気環境や温度を維持するための「住宅設備」も重要です。このサイトでは、いつでも新鮮できれいな空気や快適な温度を維持してくれる「住宅設備」といった性能面を重視している工務店を紹介します。
近年特に、住宅づくりにおいては「高気密・高断熱」が重視されるようになってきました。それというのも気密性・断熱性は、住む人の健康に深く関わっているため。住宅内の温度・湿度を快適に保つことで、熱中症やヒートショックなどのリスクを下げるほか、結露によるカビの発生を抑制し、アレルギーなどの低減にもつながります。目に見えない室内の「空気」ですが、その空気のコントロールが家族の健康のカギになるのです。
高断熱・高気密な空間によって家族の健康を守る、さまざまな住宅設備。家全体の空気を一定の温度に保つ「全館空調」や「放射(輻射)冷暖房」、結露を防いだり太陽の光を和らげたりする「アルミ樹脂複合サッシ」や「Low-E複層ガラス」。
それぞれの設備の特徴からメリット・デメリットをはじめ、導入事例について掲載しています。
全館空調とは、家中すべての「冷暖房」「換気」「空気清浄」といった空気のコントロールを、一括して行う空調システムのことを指します。基本的には24時間365日稼働し、快適な温度・湿度の中で過ごすことで健康づくりに役立つのが大きなメリット。設備自体が目立ちにくいため、性能面だけでなく、内装のデザインやインテリアにも大きく影響をしないことが特徴です。
放射(輻射)冷暖房とは、風を使わず、熱エネルギーの放出によって室温を調節する冷暖房器具。風が起きないため、乾燥や室内の温度ムラが生じにくく、床付近に溜まりがちなハウスダストやダニを巻き上げる心配もありません。工業施設に使われることが多い設備ですが、一般的な住宅にも導入は可能です。
雨や風に強くさびにくいアルミと、断熱性の高い樹脂を組み合わせた「アルミ樹脂複合サッシ」。それぞれの長所が活かされた、軽量で丈夫、高断熱で結露の少ないサッシです。劣化が少ないためメンテナンスなどの手間をかけずに、長期間使えることも特徴です。
Low-E複層ガラスとは、2枚のガラスの間に空気やガスを封入した複層(ペア)ガラスに「Low-E膜」と呼ばれる特殊な金属膜でガラス表面をコーティングしたもの。大きく分けて「遮熱タイプ」「断熱タイプ」の2種類があり、住宅のある地域や方角に合わせて選ぶことが大切です。結露の発生を低減してくれるため、カビが発生しにくいことも特徴です。
家族が健康・快適に暮らせる住宅づくりには、設備以外にも「全体的な構造」によるアプローチ方法もあります。健康住宅の設計・工法の種類や、実際の事例をご紹介します。
健康住宅の基準を客観的な数値で表した「HEAT20」や、健康住宅づくりにあたって「かかるお金」と「もらえるお金」。
健康住宅に関する「気になること」について解説します。
健康住宅を建てるためには、多くの断熱材や高機能な設備などが必要になるため、必然的にコストも上がってしまいます。一方で、長期的に見ると光熱費が割安だったり、住宅購入にあたって補助金を受け取ることができるという面もあります。設備費用の例や補助金の事例をはじめ、全館空調を導入したうえで光熱費を抑えるコツなどを紹介します。
健康住宅を建てる上で、指標として用いられることの多い「HEAT20」。気温に合わせて全国を1~8の地域に分け、それぞれについて「断熱性」「遮熱性」など住宅外皮の性能を評価します。
「G1」から「G3」と呼ばれる3つのレベル設けられたグレードのうち、レベルの高い「G3」では「真冬でも体感温度が15℃を下回らない」など厳しい基準となり、それだけに住宅の快適性について信頼度の高い指標です。
HEAT20では、住宅内で健康・快適に過ごすため「体感室温」を重視しています。国内の各地域を温度帯によって1地域~8地域に区分し、それぞれの地域に対して、暖房時期の最低室温や15℃未満となる割合(室内の温度ムラをなくすため、なるべく低くあるべきとする)などが定められています。
また「UA値(外皮平均熱貫流率)」は、建物の断熱性を表し、この値が低いほど熱が逃げにくく高断熱です。HEAT20は国の基準と比べても厳しい数値が設定されており、この値を満たしていることで、住宅の断熱・気密仕様に対して一定の信頼がおけると考えられます。